皆さんの中にはマハトマ・ガンジーという名前を聞いたことがある人もいると思います。ガンジーは1869年10月2日に生まれました。18歳の時イギリスに渡り、弁護士の資格を取り、その後南アフリカで弁護士として仕事をするかたわら、権利回復運動に力を注ぎました。インド人の権利を回復するための「トランスバールの行進」では逮捕、投獄されましたが、結果的に差別は撤廃されたのでした。ガンジーは第1次世界大戦中の1915年にインドに帰りました。1919年3月に民族運動弾圧を目的とする「ローラット法」が制定されると、激しい反英運動が起こりました。ガンジーは同年4月「第1次非暴力・不服従運動」を開始しました。また、1930年に塩税を決めたイギリスに対し「塩の行進」と呼ばれる「第2次非暴力・不服従運動」を指揮しました。そして1947年ついにイギリス議会はインド独立法を可決しました。翌年、ガンジーは凶弾に打たれ亡くなりました。
マハトマとは「偉大な魂」という意味で、インド独立の父と言われるガンジーにつけられた尊称です。ガンジーはノーベル平和賞に5回ノミネートされましたが、結局1回も受賞することなくこの世を去りました。ガンジーの「非暴力・不服従」の思想はマーチン・ルーサー・キング(キング牧師)やダライ・ラマ14世など多くの人権活動家に影響を与えています。
2007年6月15日の国連総会で、マハトマ・ガンジーの誕生日を記念して「第1回国際非暴力デー」を10月2日に開催することが可決されました。総会に決議を提出するにあたり、共同提案140か国を代表してインドのアナンド・シャルマ当時の外相は、ガンジーの言葉を引用し「非暴力は人類に残された最大の力である。それは、人類が発明した最大の破壊兵器よりもさらに強力である。」と述べました。また、当時の藩基文国連事務総長は「今ほどガンジー師の発想が必要とされ散る時代はありません。」「穏健派の勢力が後退する一方で、過激な独断的思想や暴力的なイデオロギーも台頭しつつあります。」「この日を機会に、非暴力というマハトマ・ガンジーのメッセージがさらに幅広い人に伝えられ、毎日が非暴力デーとなる日が来ることを願っています。」とのメッセージを寄せました。
現在世界の各地で戦争や紛争が続いています。その犠牲となるのは一般の民衆、とりわけ力の弱い子供やお年寄りです。私たちはこの現状から目を背けてはなりません。皆さんが非暴力や平和の思想を受け継ぎ、世界を変えていく原動力として成長することを心から願っています。