酷暑の中、本校の学校説明会、学校見学会にご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
さて、最近日本を訪れる外国人が急増しています。あるアンケートによると、その多くが日本の「おもてなし」に驚き、感動しているという結果が出ています。
「おもてなし」は英語では、“hospitality(ホスピタリティ)”といいます。”hospitality”はラテン語の「客」を表す言葉が起源と言われています。また、客が逗留(とうりゅう)する”hotel(ほてる)“や、病気の人の世話をする場所”hospital(病院)”も同じ言葉から派生しました。では、そもそも「おもてなし」とはどういうことを意味するのでしょうか。ここに一つの逸話があります。有名な話ですから聞いたことのある人もいると思います。
豊臣秀吉は鷹狩の帰りに近江国伊吹山の観音寺に立ち寄り、寺の小姓に茶を所望しました。小姓は、大きめの茶碗にぬるめのお茶をたっぷりと入れて秀吉に献上します。鷹狩というスポーツを終えた後の秀吉は、一気に飲み干し「もう一杯いただこう」と伝えます。小姓は少し熱いお茶をやや小ぶりの茶碗で持参し秀吉に献上します。秀吉はそのお茶も飲みほし、さらに三杯目のお茶を所望します。小姓は熱いお茶を少々小さな湯呑に注いで献上しました。この小姓の気遣いによって、秀吉は非常に気持ちよく休憩時間を過ごすことができ、鷹狩の疲れもすっかり癒えたそうです。この機転に感心した秀吉はこの小姓を家来として雇い入れ、終生にわたり主従の関係を結びました。この小姓こそが、後の石田三成だったということです。
この逸話が本当の話か作り話かは定かではありません。それはともかくとして、この小姓の気配りこそが「おもてなし」の根本であることは間違いありません。つまり、「おもてなし」とは「相手の立場に立ち、相手が何を望んでいるかを考えて行動すること」なのです。